再会の頃
庭のユスラウメが満開の頃
あれはもう6年前になるかしら
裏手に住むHさんがこぼれ種から根付いた小さな苗を
両手のひらに乗せて持ってきてくださった
今掘り起こしたばかりの土はポロポロと崩れそうで
急いでシャベルに受けたこと まるでついきのうのことのよう
月日を追うごとに花の数は増して
花が終わると今度は真っ赤な実になって
私はそれを鳥に食べられないうちに急いで収穫するのです
ユスラウメのジャムは甘酸っぱくてとてもおいしいから
毎年この季節になるとHさんのやさしい笑顔を思い出します
彼女は春を告げる女神様になりました
花が咲き終わって十日ほど経った今
緑の実が所々に見え始めています