2015-07-21 文字場面 ジャズの後ろ姿がある文章と重なった 夕暮れ時私がこっそりのぞいているのに気付かず 彼はポーチに座りやや首を傾げ じっと夕焼けを見つめていた 巣に帰ってゆく鳥の群れや 風にそよぐ木々の気配にも惑わされず何かを考えていた 普段私に見せる表情は消え 哲学者の風情を漂わせていた <武田百合子著『犬が星を見た』あとがきより抜粋>