utashyaのブログ

明暗の日々を駆け抜ける

高い位置

先日の国会質疑

放送法についての高市総務相の答弁に背筋が寒くなった

当日の報道番組で新聞社の論説委員もその答弁に対し真っ向から反対意見を述べている

放送法とは権力のあるものが監視するために成立されたものではなく

過去の大戦で正しい情報が国民に知らされなかった事実の反省を踏まえ

マスメディアが公正の立場で報道する自由を確保するために制定された法律である

政権を執る政党がそれを左右する権利はないはずである

特定機密保護法が成立し更に憲法改正に向ってひたひたと前進する今の日本

反対勢力を数の力で押し通そうとするやり方は断じて許されない

 

報道人であった夫は定年まで仕事を全うすることができないまま他界した

仕事が趣味だと明言していた夫

どうしてもっと早く受診しなかったのかという医師の質問に

秋の総選挙までは何としてでも残り指揮を執りたかったと答えたほどである

4人家族の間では政治に関することがよく話題に上っていた

結婚当初はほとんど興味がなかった私もいつしか目の探索を教え込まれた

いかなる場合でも中立の立場で報道する それが夫の信条でもあった

選挙投票には一緒に出かけても夫がどの政党に誰に投票したか一切知らない

一度質問したこともあったがあっさり無視されご法度と解釈した

 

もしも今の政治状況を夫が知ったとしたらどういう反応を示すのだろうか

報道上中立とはいえこの危険極まりない現状にきっと嘆いたことであろうし

何らかの方法で立ち向かっていたに違いない

 

最近息子がこの重大な局面に立とうとしている日本のあり方に

強い疑念といたたまれない心境を自身のサイトに記すことが目立って増えた

のめり込み過ぎを案じ矛盾を承知で電話を入れてみると

「問題意識を失いたくないからだ」と一蹴りされ少し安堵した 

と同時に父親の血を引いていることに嬉しくもあった

 

政治に対する意見や批判はとかく敬遠されがちである

だが今のこの現状に於いて「政治に関心がない」ことほど怖いことはない

未来の子供達のためにもせめて私自身鋭敏なアンテナを持っていたいものである

 

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