センター・ロ・ゴ
盛岡市民にとって思い出多いその建物は私にとっても同じだ
小学校に入学して間もない頃 食通の伯父に連れられて
二階にあるカレーの店で黄色ではないカレーを始めて食べた
それ以来しばらくその真新しい建物は私にとって特別な場所になった
それから何十年という月日が経ち悲しくもレトロな建物どころか
周りの景観を損ねかねないほど老朽化してしまったバスセンター
先日新聞で読んだ投稿の記事に触発されロゴの写真を撮りに出かけた
いつも何気なく素通りしている建物をじっくり見上げた記憶はない
その字体がオールドローマン風であることも無論知らなかった
一階の内部は古さの中に未だ昭和のなごりが色濃く残っていて
風格というより生活の色や臭いが滲みこんだどこかやぼったい空間とも言える
取り壊しが決まってしまってからその良さを再確認しても時すでに遅し
ではあるが ロゴにふたたびスポットライトが当たることを祈りたい