utashyaのブログ

明暗の日々を駆け抜ける

あしのもと

底冷えの朝

靴下を重ね履きした

 

それは長く伏せていた母のためのものだった

長い間歩くことのなかったその足は弱々しくも

透き通るようなピンク色で5本の指は綺麗な形をしていた

履かせてみるとゆるゆるで返って寒そうに感じた

結局家に持ち帰り長いこと引き出しにしまったままだった

 

電気ストーブの前に座り

やけに膨らんだ自分の足元をしばらくじっと見ていた

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