2016-11-26 あしのもと 底冷えの朝 靴下を重ね履きした それは長く伏せていた母のためのものだった 長い間歩くことのなかったその足は弱々しくも 透き通るようなピンク色で5本の指は綺麗な形をしていた 履かせてみるとゆるゆるで返って寒そうに感じた 結局家に持ち帰り長いこと引き出しにしまったままだった 電気ストーブの前に座り やけに膨らんだ自分の足元をしばらくじっと見ていた