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utashyaのブログ

明暗の日々を駆け抜ける

味の記憶

友人から今高田馬場にいると知らされ、すぐさま美味しいカレーの店を教えたのだが、直後にネット検索してみたらすでに閉店したことがわかり、あわてて連絡し直した。

私がその店を知ったのは、長男が通う大学の構内を案内してもらうため上京していた時だった。間口が狭く奥行きのある店内は、入り口付近の巨大な壺のそばでインド人の従業員がナンを焼くバターと小麦の香りに包まれていた。

カレーは普段家で作るものとは違っていて、大分ゆるめで馴染みのない香辛料が本場の味を意識させた。そこにあつあつでもちもちのナンを浸して食べるのだが、それがたまらなく美味で感動ものだった。帰り際、レジでオーナーの奥さんに『着こなしがとてもお上手ね』と褒められ有頂天になったこともしっかり記憶している。そして長男と談笑しながら歩いた早稲田界隈のひとときももちろん忘れることはない。

その後ことあるごとにその味を思い出し、いつかまた行ってみたいと思いながら結局叶わぬこととなってしまい残念でならない。

先日テレビに出演していた精神分析医が、人間の記憶と味覚は密接な関係にあると解説していたが、確かにそうだと実感する。なぜなら今私はあのなつかしい香りを感じながら、パソコンのキーボードを叩いているのだから。

 

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