披露・感
これでいいのか
本当にいいのか
間違っていないのか
たぶんこれでいいのだ
きっとこれでいいのだ
ある日を境に決断を下す権利が私ひとりに委ねられた
それまでの記憶をすべて心の中に刻み込み
形あるもののほとんどを捨てた
手放しで私を愛してくれた人達はひとりまたひとりと去って行った
と同時に個々の存在の重さが無数の気泡となって体中をめぐり
私の目から耳から鼻から口からそして私をかたどっている皮膚の
無数の汗腺からふつふつとぷつぷつと湧き出している
もう長いこと素の自分と重なりあうことを避けてきた
自分の持つ強かさをできうる限り表へ表へと押し出してきた
少し疲れたかもしれない
あれでよかったのか
あれで本当によかったのか
間違っていなかったのか
もしかしたら
もしかすると
少し疲れてしまったようだ
2014.4.撮影