マヤ・文面
Tさんが南相馬市からひとり盛岡に移り住んで6年が経とうとしています。
ある治療院の待ち合い室で私が書いた「海のある街」を読んでくださりそれが知りあう
きっかけとなりました。
美術教師だったTさんは現在も描くことを続けています。
体の不調にもめげず慣れない生活から楽しみを見いだすエネルギーには敬服します。
そんなTさんをずっと見守ってきた飼い猫のマヤが昨年26才で亡くなりました。
『ことしはマヤを描きました』同好会絵画展のお知らせハガキにそう書かれてありま
した。菓子店の二階のギャラリー。やわらかい陽射しの中にTさんの絵はありました。
それは水にすぅっと溶けてしまう砂糖菓子のような絵でした。
マヤの深い眼差しはTさんだけに注がれた特別のものに違いありません。
やさしい時間 Tさんありがとう。