鳴動の日
今回の体調不良にやっと終息が見えてきた。
ただ治療中に主治医がそれとは別の異変に気付きエコー検査を促されたのには動転し
た。いつものことだが間髪入れずに質問した。「その異変から予想される病名としては
どのようなものが上げられるのでしょう」「やはりそうきたか・・・」苦笑いを浮かべ
ながら、大まかな答えを数例上げてくださった。そして最後に一言『大山鳴動して鼠一
匹』しかしそれで〆とはいかず「それはどういう意味であるのか解説をお願いしたい」
というややこしい展開へと続いた。
できるだけ早く白黒を付けたかった。その検査の予約日がきょうの午前中だった。朝出
かける前、大病院に紹介されることまで予測し、トレーニング用パンツから外出用の物
に変えた。ジャズにしっかり家を守るように言い聞かせケージに入れた。
検査が始まった。探触子が向きを変えながら私の身体を滑っていく。胆嚢、膵臓、肝臓
脾臓、腎臓、大動脈、次々と映し出される画像は確かに自分のものに違いないのだが、
最初は実感が伴わない。だがそれそのものが私の生命を維持しているものと意識し始め
ると、なんといじらしくいとおしい我が臓器と思えてくる。最初の不安が感動へと変
わっていった。
結果は目立った異常はなく、少々の変異は年齢相応のものであるとの結論が下された。
同時に受けた肺がん検診もまったく異常がなく、曇りのない肺胞におもいきり外気を吸
い込み帰路に付いた。
そういえば検査開始直後の先生の第一声は「エコー検査には極めて理想的な身体であ
る、」だった。ガラ系にも医学的利点はあるのだ。
ひとつだけ聞き損ねたことがある。大山鳴動して出てきたのは鼠だったと解釈して
いいのかということ。忘れずに次回の質問とさせていただこう。