陸前高田の知人から手渡された一冊の詩誌
歳月を経ても未だ癒されることのない痛み
彼女の詩を多くの人たちに読んでもらいたい
次の日々へ
あの年の六月から秋まで
翌年も 次の年も
植えた花ひとつ芽を出していないか
そわそわと通った路地
梅雨の頃 コーヒー片手に
紫陽花を眺めていたのは この辺り
幻と言われた七段花 かれんな黒姫
引きこまれるような濃淡のブルー
花数が増えたのに・・・・・・
おっとりと咲き 夜に香りを放つギボウシ
繁茂するクローバーやヒメジオン
いくらかきわけても その気配はない
たくましい根だったのに
ああ ここにいた ここで暮らした日々
私の・・・と言える、ものはない
地爆させてはいけない思いを そっと切る
Y.T