仙人の万力
「具合が悪いの?」
夕方玄関のチャイムが鳴り、ドアを開けるとポテ山仙人が立っていた。
「うん、かなり悪い」
正直に答えた。頭痛の山場がやっと去ったかと思いきや第二弾襲来。
それも今度はかなり手強く、夜中に強烈な頭痛吐き気耳鳴りで毎晩目が覚めること、
ここ数日まともに寝ていないこと、庭のこと仙人の近況のことなど会話が弾んだ。
そうしているうちに気分がすっと軽くなった。仙人持ち前のひょうひょうとした
キャラに癒されたのかもしれない。
「こんなに天気がいいのだからもう少し日が陰ったら散歩に行こうかな・・・」
そんな言葉が口をついて出た。
「そうだ、そうしたほうがいいよ」
その後予定外の散歩は柔らかい日差しと風がどんよりしていた心と体に滲み渡った。
仙人に庭のノリウツギの花を一本おみやげに渡した。
「私はね、人を幸せにする運命にあるのさ」
本当にその通りかもしれない。
仙人ありがとう、焦らずゆっくり治療を進めます!