2018-07-01 じょうろ むせかえるような日中の暑さがうそのようだ ハナミズキの葉の斑模様が鱗にも似て じょうろを手にぶらさげたまま しばらく天を見上げる 夕方の風はなんてやさしいんだろう 春先に花芽を鳥から守るため 吊り下げたCDが未だあそこに もはやその使命を忘れたかのように色褪せてしまい いや あれはもしかしたら解放された透明に近い色 その円盤のどこかに私が映っているような気がして 覗きこむ じょうろを手にぶらさげたまま